スライドと本の整理8/29、30
お盆が終わって、私(うしお)と協力者の長沼宏昌さんは少しずつですが作業に慣れ、私は本の整理、長沼さんはスライドの整理という風に分業するようになりました。
スライドの整理を始めた時もそうでしたが、まずは命名ルールや全体的な手順を決めることが結構大事な仕事です。
EX LIBRIS(蔵書票)の準備と並行して、本の整理については次のように決めました。
1.どんなデータベースに入力するのか
⇒Airtableを利用してみる!
2.どこの情報(入力項目)を主軸に参照するのか
⇒東京都現代美術館のOPACにしてみる!
3.どのように整理するのか
⇒入力時に付与した蔵書番号を記入してから蔵書票を貼り付ける!
現代美術館での作業時間の都合もあるので、協力したい!って奇特な方が現れる日まで、とりあえず最低限の情報入力に留めることにしました。
(極端な話、本のタイトルかISBNがわかればたいてい世界のどこかにその本の情報はあるので、その場合は詳細はひとまずそちらをご参照ください、ということです。とりあえずの措置として。)
最初は半日で5冊ぐらいしか進まなかった作業も、慣れてくるとスピードアップ!
・・・といいたいところですが。
海外の古い本の入力が結構大変。 現代美術館のOPACや美術館横断検索はもちろん、ISBN 検索をしてもなかなかヒットしないものチラホラ。
現代美術館の図書室に在庫の無い洋カタログや作家資料がたくさんあります。
スライドや本に海外展や海外作家の古い資料が多いのは、本の持ち主がかつて美術雑誌『アトリエ』の編集長をしていて、海外の動向を取材して回っていた際のものだろう、とのことです。
この本はおもしろそうな匂いがしました。
「なんだこれー」と思ったらのぞき見できるのが、公開整理作業の楽しいところ。
ちなみに時々本の送り主からの手紙が挟んであったりしますが、そういうものも持ち主からの指示により一緒に保存することにしています。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
吉川陽一郎さんのコレクション 8/23
ご報告が遅くなりましたが、2019年8月23日に公開整理のスペースで、アーカイブやコレクションについて語らう会の記念すべき第1回目を開催しました。
重そうな木箱を開けると
中に入っていたのは・・・???
じゃじゃーん 吉川さん秘蔵の小瓶たちです!!
中にはマイマイの殻、植物の種、黄緑色の繭、細長い石、撒菱(まきびし)や子猫の乳歯、自分の歯など、多種多様なものが分別されて収められていました。
小瓶を手に取ると、吉川さんがひとつひとつのエピソードを丁寧に説明してくれます。
話はついつい中身のことになってしまうわけですが、一番驚いたのは吉川さんの「実は中身にはあんまり興味がない」の一言。
吉川さんは瓶そのものの形が好きで、家じゅうにこんな風な棚をつくっては小瓶を並べているそうです。ただしやはり、瓶は空の状態ではなく、瓶が瓶らしくあるためにだいたい何かしらを分別して詰めてあるのだそう。おもしろい・・・。
私はこれらの瓶を見ながら、編集行為とキュレーションについて気になりだしてしまいました!!
「これは吉川さんの作品なのか?作品でないのか?」そんな質問から、展示・発表とは何か/表現の自由/アウトサイダーアート/教育論/芸術とライフスタイル/世界認知や未知/カタツムリの交尾/公共空間の掃除/ファイルつくり(魔)とファッチーニ/アーティスト像について・・・
「あそびのじかん」展に一緒に出品している野村和弘さんも途中参戦してくださり、話は次第に(美術館らしく?!)芸術論議に。「小瓶からこんなに話が膨らむかっ?!(酒もナシで)」と改めて今、記録動画を見ながら驚いている次第です。
この「語らう会」は「井戸端会議」に名前を変えて、9月にも開催予定です。
※2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内(公開整理のスペース)で行います。
「あそびのじかん」展を回る途中、この怪しい集会に出会ったらラッキーです。
よかったら立ち聞きしていってください。
ご参加も自由ですヨ。
※本日のお写真はすべて長沼宏昌さんが撮影したものです。
アーカイブやコレクションについて語らう会8/23
ゲスト 吉川陽一郎さん
日時 2019年8月23日(金)16:00-18:00
場所 公開整理のスペース
東京都現代美術館「あそびのじかん」 うしお作品《不如意の儀》内
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
吉川陽一郎さんをゲストに、アーカイブやコレクションについて語らう会を催します。
吉川さんに収集物を詰めた小ビン十本ほどを持って遊びに来ていただき、机上に一時的に展示します。コレクションを皆で眺め、感想を言い合ったり、吉川さんのお話を聞いたりとまったり楽しむ会です。どんなものが拝見できるか、どんなお話を拝聴できるかとても楽しみです!
本集会は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内(公開整理のスペース)で行います。
スペースの中にいつもより多く人がいて、おしゃべりしたり、何か見せ合いをして楽しんでいるのを偶然見かけた、、、という方、もしご興味を持たれましたら、お気軽に立ち聞き・ご参加ください。
※大変狭いスペースですので、他の鑑賞者の通行の妨げにならないようご協力をお願い致します。
※人が多く集まりすぎた場合、展覧会場外のパブリックスペースに移動して開催する可能性があります。場所の変更などの場合は現地に掲示してお知らせする予定です。
吉川陽一郎さん 略歴
YOSHIKAWA Youichiro
1955 鹿児島県生まれ(宮崎県都城市、神奈川県横浜市育ち)
1980 多摩美術大学美術学部彫刻学科卒
1996-2002 Bゼミスクーリングシステム 講師
2001-2007 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科 非常勤講師
2007-2019 多摩美術大学美術学部彫刻学科 非常勤講師
近年の個展
2018 「SUPER OPEN STUDIO 2018」 アトリエ・ボイス(相模原/神奈川)
2017 「歩く人」路地と人(東京)・KOBE STUDIO Y3(兵庫県/神戸)
2016 「裏無いの小部屋」路地と人(東京)
近年のグループ展
2019 「”路地ト人/路地二人々” 」路地ト人(東京)
「ヘテロトピア」東京都美術館(東京)
2018 「八色の森美術展 第2回」池田記念美術館(南魚沼市/新潟)
「Laboratory of Forest Art 」(中山/横浜)
「東の太陽 西の月」双ギャラリー(東小金井/東京)
「平成30年度彫刻学科教職員展」多摩美術大学 彫刻棟ギャラリー(東京)
「きもちのきわをあるくx きもちのきわをあるくをウツ(写)す」
アートセンター・オンゴーイング (吉祥寺/東京)
2017 「平成29年度彫刻学科教職員展」多摩美術大学 彫刻棟ギャラリー(東京)
「うたげと孤心 連画のいざない Ⅱ」Art Studio DANGEON (上板橋/東京)
「横浜の森美術展10」(中山/横浜)
「引込線 2017」旧所沢市立第2学校給食センター(所沢/埼玉)
スライドと本の整理8/16
今日は「Von hier aus」とドイツ語のメモがついたスライドをスキャンしてみました。
展覧会かな?と思って画像を見ると、中身はヨーゼフ・ボイス氏が「Von hier aus」と書いてある看板?を持って歩いているスナップなど、人物写真がほとんど。
それらの大部分は人物+「Von hier aus」の文字の組み合わせで構成された写真で、どんな展覧会だったのか、スライドだけでは簡単に想像できないなという印象。(今日はおそらく昨日のPC更新の影響で館内のTOKYO FREE Wi-Fiに繋げられず。)
そのあと作業の合間に本の整理(エフェメラ救出)をしていると、なんと見覚えのある文字が!カタログが出てきましたー。
Von hier aus – Zwei Monate neue deutsche Kunst in Düsseldorf - Wikipedia
スライドが残っている展示=カタログがある
このケースが多いかもしれません。スライドと蔵書の双方向から紐づけができるような整理の仕方を考える必要性があるなと実感しました。
スライド整理の作業は、協力者の長沼宏昌さんがフィルムの確認とスキャナーへのセットの係、私はスキャンした画像に番号をつけたりスライドの照合・確認、そして保存と分業しております。
長沼さん曰くフィルムが汚れていたり劣化が進んでいるものも多く、なるべく良い状態で原本を残すには早い時点でクリーニングが必要であるとのことです。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
スライドの整理8/15
スライドの整理と書いてしまっていますが、マウントされていないポジフィルムも一定量混ざっています。本日はマウントされていないポジフィルムをスキャンしました。
今日は約2週間ぶりの公開整理作業だったため、整理の作業要領を思い出すのに少し苦労しました。PCの更新にも時間を取られてしまい、作業はあまり捗りませんでしたが、合間に協力者の長沼宏昌さんとおしゃべり。今後開催する本公開整理に関係するいくつかのイベントの相談をすることができました。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
本の整理8/15
本日は久しぶりの公開整理です。
スライド整理をしながらも、本に挟んであるものをレスキューする作業を進めています。
協力者の長沼宏昌さんから、「蔵書にはエフェメラ(ephemera)といって、小さな展示やイベントの貴重資料などが挟んであることも多い」と教えていただきました。
たしかに、挟んであるものに注目してページをパラパラめくってみると、様々なものが出てきます。
長沼さんに今日教えていただいたのは、原則(整理・保管する側が)なるべく価値判断をしない、という心得。「これは面白そう」とか「貴重そう」とか、「なんだコレ?」なもの、いろいろありますが取り急ぎレスキューして別ファイルに保管します。
本日は何人かのお客様から本についての質問を受けました。フランス出身という(おそらく留学生の)方から、「フランス語の本がかなりあるけど、何故?」という質問を受けました。「この本の持ち主はフランス語の翻訳も数多くされていて、フランスの芸術文化勲章も受章しています。(そのような方の蔵書なので、フランス語の本が多いのです。)」と説明するのに少々苦労しました。
同じ方から、「ここに置いてあるフランスの本を(私たちから)買えるか」の質問も受けました。ひょっとすると、フランス語の貴重書が紛れているのかもしれません。「どの本が、なぜ欲しいのか」こちらからも質問してみればよかったかも。。。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
本の整理
「あそびのじかん」ご来場のたくさんの方が、蔵書本を手に取ってくださっているようです。
公開整理のことはA4の紙1枚で説明を掲示してあるだけなので、パッと見は謎の古本の山といったところでしょう。。。
これから少しずつ情報を増やしたり、作業に伴ってレイアウトも変わっていく予定です。
取り急ぎ優先させている作業としては、段ボール及び本に挟まっているチラシや紙片の類を救出することです。(本よりも意外にそういう資料のほうが貴重だったりするというアドバイスを受けたため)
また先日は、美術館の美術図書室を訪ね、本の整理(目録的なデータベース化)についてアドバイスをいただきました。ひとまずOPACに掲載されているかを確認し、掲載されていない本についてはOPACに準じた項目のリストを作ってはどうかとのことでした。
なるほど、ご本人が執筆した本を例にとると、こんなかんじですな。うーん、なかなかの情報量です!(OPACに掲載されていない本だけ入力すればいいんだから、落ち着け、私。)
並行して、現在は整理が終わった本に貼り付ける蔵書票のことを勉強したり図案を検討するなどしています。
ご本人のトレードマーク?となっている栗鼠のイラスト。蔵書票にはこの図案を入れて、例えば「栗鼠文庫」とか、「栗鼠蔵書」などと名付ける、、、ご本人ともそんな相談をしたりしています。
栗鼠は(食べ物を口に)蓄えるので、なんとなく情報・知識の蓄積イメージにも似ていて、親しみもあって良いのではと思っております。
「リスに穴を教える」というタイの諺があるらしいですが、「他人に役立つ情報を教えてあげる」という意味だそうで。
ところでスライドを整理していて、ご本人が過去に書いたこんな文章に出会いました。
20年ぐらい前に書いて展示したテキストのようですが、今回のプロジェクトのことのようにも読めて面白いので、栗鼠のドローイングと並べて壁に貼ってみました。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。