公開整理を始めました
アーカイブス(美術館、博物館、図書館など)は時に私たちに、自分が実際に体験することよりももっと豊富な体験を与えてくれることがあります。
人は生きる過程で様々なものに興味関心を持ち、経験や知識として蓄積していきます。多くの人に少なからず物理的に蓄積したもの(積極的に収集したもの)があるのではと思いますが、私たちはそれを長期的にどう扱っていくのが良いのでしょう。
2019年7月20日、東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」展最後の部屋、うしおの展示スペースの片隅に、公開整理をするための小さなお部屋がオープンしました。
この公開整理の試みは、所有者及び東京都現代美術館の寛大なご理解によってスタートすることができました。
このスペースでは、半世紀以上にわたり主に評論の立場で美術に立会い続けてきた、ある人が蓄積した資料を公開整理する試みを行っています。(「ある人」と書きましたが、実はそんなに隠すつもりはなくて、実名を申しますと小倉正史さんという方であります。)
今回ひとまず現代美術館の展示室に運び込まれた本は、その方の何度かの引っ越しの際にも処分されなかった本の中から、「今後は他の人の役に立つよう使ってもらっても良い」と提供されたものです。本は手に取ってご覧いただくことができます。
※できるだけ丁寧にお取り扱い願います。
さてどのように整理するのが良いか、様々な方のご意見を頂戴できればと思います。
私及び協力者が時々ここで作業をします。その際は話しかけたりご参加いただくこともできます。(時おり本物の持ち主が現場に登場することもあるかもしれません!)
ひとまずこの取り組みの最初の目標は、
1.本を目録化してみる
2.蔵書票を作成してみる
2.目録化作業が終わった本から蔵書票を貼り付ける
であります。
今回は本のほかに、海外の展示や日本の現代美術の歩みを感じさせる古いスライドなども運び込まれています。
これらの資料を目録・デジタル化し、いつの日かそれを必要とする誰かのために、二次的な資料として保管することも目指していきたいと思います。
多くの方のご理解とご支援を賜れますと幸いです。
また、8月以降は、同スペースで「アーカイブやコレクションについて語らう会」を時々開催する予定です。ご参加は自由です。
この公開整理の記録及び各種予定は今後、こちらのブログで公開します。
ご興味のある方は、時々当ブログを覗いてみてください。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。