公開整理をする

故小倉正史氏の蔵書やスライド・フィルム等資料を2019年に公開整理した記録

井戸端会議・アーカイブやコレクションについて9/13

ゲスト 藤村克裕(ふじむらかつひろ)さん

 

日時 2019年9月23日(金)16:00-18:00

 

場所 公開整理のスペース

   東京都現代美術館「あそびのじかん」 うしお作品《不如意の儀》内

    〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)

 

 

美術家そして日本で3番目に狭い古本屋の店主でもある藤村克裕さんをゲストに、井戸端会議(アーカイブやコレクションについて語らう会から名前を変更しました。)を開催致します。

 

私と藤村さんの初対面は2日前、でも前回のゲストの吉川さんから1年前に『おふねやだより』という小冊子を頂いたのが、最初のきっかけでした。知る人ぞ知るこの小冊子は、藤村さんの古本屋[おふね舎]から発信されています。緻密な手書きの文字で、隣人への興味と敬意がギッシリ詰まったこの小冊子は、毎号1人のアーティストを紹介しています。(先日頂戴した最新号は、梅津庸一さん。)

『おふねやだより』最新号

これが噂の『おふねやだより』


巻末に、その号で紹介したアーティストが古本屋に売りたくない本のコーナーがあって、それも私のお気に入りです。

 

当日は古本屋や『おふねやだより』などのお話から、どんな展開になるかとても楽しみです。

 

本集会は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内(公開整理のスペース)で行います。

 

スペースの中にいつもより多く人がいて、おしゃべりしたり、何か見せ合いをして楽しんでいるのを偶然見かけた、、、という方、もしご興味を持たれましたら、お気軽に立ち聞き・ご参加ください。

 

※大変狭いスペースですので、他の鑑賞者の通行の妨げにならないようご協力をお願い致します。

※人が多く集まりすぎた場合、展覧会場外のパブリックスペースに移動して開催する可能性があります。場所の変更などの場合は現地に掲示してお知らせする予定です。

 

 

 

 

www.mot-art-museum.jp

 

 

藤村克裕(ふじむらかつひろ)さんプロフィール

 

美術家、「古本・おふね舎(や)」店主。

 

1951年 北海道帯広市に農民の長男として生まれる。

1970年 同地の普通高校卒業後、上京。山手線から見つけた寛永寺坂美術研究所や、同所で知り合った男から教わって知ったすいどーばた美術学院に通いつつ結局3年間浪人生活

1973年4月〜1977年3月 東京芸術大学美術学部油画専攻に通う

19774月1979年3月 同大大学院美術研究科油画専攻に通う

1979月〜9月 ヨーロッパ一人旅。

以降、各種非常勤業務に従事しつつ制作・発表活動をほそぼそと継続してきた。

2002420163 京都造形芸術大学教授2015年4月以降は特任)

20169月 「古本・おふね舎(や)」開業

 

個展
19828月 東京神田・真木画廊。

以降、ギャラリーレティナ、駒井画廊、田村画廊、ときわ画廊、ギャラリー21、ギャラリーαM、ギャラリー古川、IBMかわさき市民ギャラリーなど多数。

 

グループ展

198312月 「Opera・旅する現代美術」展(旭川市市民文化センター)参加。以降、「北海道現代作家展」、「ハラアニュアルⅤ」、「第12回国際タピスリー・ビエンナーレ」、「第7回国際タピスリートリエンナーレ」、「白州・夏・フェスティバル」、「トラヴァース」、「路地と人・路地に人々」などグループ展参加多数。

 

上記した通り、各種の非常勤業務に従事しつつ制作・発表活動を続けてきたが、学生時代からの友人=陶芸家・松井利夫の誘いで京都造形芸術大学に設立される通信教育部のための教科書開発に携わり、それを機に同校の専任教員として京都と東京を頻繁に行き来しつつ20153まで多忙な日々を過ごした。そんな美術家・越川修身、同・八田淳の突然死に触れ、教員の仕事からの引退を決断した。が、お小遣いは欲しい。そこで、つの間にか増えすぎた書物を原資に、中学生の時から憧れを抱き続けてきた古本屋の開業を思い立ち、居住している住居のガレージ部分を改装して二坪ほどの店舗を設け「古本・おふね舎(や)」として開店し、現在に至っている。「古本・おふね舎(や)」の二坪の店舗は、沖縄・那覇市の「古書うらら」や「宮古書店」に面積の狭さにおいて遠く及ばないが、えへん、日本で三番目に狭いのである。

 

以上。                    201999日 藤村克裕

 

 

 

 

 

本の整理9/5、9/6

今週はのんびり一人作業を行いました。

表紙に『ELECTRA』to

パラパラ見ていておもしろかった本

洋物の本ばかりずっと処理するのではなく、時々和物の本を処理すると飽きにくいし成果も出たような気になるなあ、これはいいアイデアだーと思いながら作業をしていた矢先・・・!

ズドーン(眼球が机上に落ちた音)

・・・

約20冊を番号振り間違えてしまっていたのを発見。

正しくはPJ0021-PJ0041なのに、PA0021-PA0041と書いて蔵書票を貼ってしまっていたという。。。やり直し、20冊も発見です。何をボーっとしてたのでしょう。

ドンマイ、私。

 

例えばこの番号の振り方、国内で出版された図録や作品集はPJnnnn

※nnnnは数字が4桁入ります。

国内の単行本、文庫や雑誌はBJnnnn。

これが海外の本だと

図録や作品集はPAnnnn、文庫や雑誌はPAnnnnというようにしています。

 

 

 

今週の成果としては、9月と10月の「アーカイブやコレクションを語らう会」改め「井戸端会議」の日程とゲストが決定したことです。また楽しみが増えました。ゲストはじめ協力してくださる皆様に感謝です!

詳細は別の投稿で近日アナウンス致しますね。

 

タイトルが『日本心中』、『遠近を抱えて』の2冊の本

なかなかホットな本も、蔵書登録完了


本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。

「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。

www.mot-art-museum.jp

 

スライドと本の整理8/29、30

お盆が終わって、私(うしお)と協力者の長沼宏昌さんは少しずつですが作業に慣れ、私は本の整理、長沼さんはスライドの整理という風に分業するようになりました。

 

スライドの整理を始めた時もそうでしたが、まずは命名ルールや全体的な手順を決めることが結構大事な仕事です。

 

EX LIBRIS(蔵書票)の準備と並行して、本の整理については次のように決めました。

1.どんなデータベースに入力するのか

  ⇒Airtableを利用してみる!

2.どこの情報(入力項目)を主軸に参照するのか

  ⇒東京都現代美術館のOPACにしてみる!

3.どのように整理するのか

  ⇒入力時に付与した蔵書番号を記入してから蔵書票を貼り付ける!

本の整理手順メモ書き

本の整理手順も決まり・・・

現代美術館での作業時間の都合もあるので、協力したい!って奇特な方が現れる日まで、とりあえず最低限の情報入力に留めることにしました。

(極端な話、本のタイトルかISBNがわかればたいてい世界のどこかにその本の情報はあるので、その場合は詳細はひとまずそちらをご参照ください、ということです。とりあえずの措置として。)

 

公開整理中の本と、整理済みの文字

整理済みの印がつけられた本と段ボールが出現

最初は半日で5冊ぐらいしか進まなかった作業も、慣れてくるとスピードアップ!

・・・といいたいところですが。

海外の古い本の入力が結構大変。 現代美術館のOPACや美術館横断検索はもちろん、ISBN 検索をしてもなかなかヒットしないものチラホラ。

現代美術館の図書室に在庫の無い洋カタログや作家資料がたくさんあります。

 

スライドや本に海外展や海外作家の古い資料が多いのは、本の持ち主がかつて美術雑誌『アトリエ』の編集長をしていて、海外の動向を取材して回っていた際のものだろう、とのことです。

 

『Anti-Academy』表紙

この本は現代美術館図書室の在庫確認ができました

『Anti-Academy』

この本はおもしろそうな匂いがしました。

「なんだこれー」と思ったらのぞき見できるのが、公開整理作業の楽しいところ。

 

ちなみに時々本の送り主からの手紙が挟んであったりしますが、そういうものも持ち主からの指示により一緒に保存することにしています。

 

 

本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。

「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。

 

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吉川陽一郎さんのコレクション 8/23

 ご報告が遅くなりましたが、2019年8月23日に公開整理のスペースで、アーカイブやコレクションについて語らう会の記念すべき第1回目を開催しました。

 

重そうな木箱を開けると

中に入っていたのは・・・???

 

じゃじゃーん 吉川さん秘蔵の小瓶たちです!!

 

小瓶を持つ吉川陽一郎さんの手

吉川さんの大事な小瓶

中にはマイマイの殻、植物の種、黄緑色の繭、細長い石、撒菱(まきびし)や子猫の乳歯、自分の歯など、多種多様なものが分別されて収められていました。

小瓶を手に取ると、吉川さんがひとつひとつのエピソードを丁寧に説明してくれます。

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瓶の中身が気になってしょうがない

話はついつい中身のことになってしまうわけですが、一番驚いたのは吉川さんの「実は中身にはあんまり興味がない」の一言。

吉川さんは瓶そのものの形が好きで、家じゅうにこんな風な棚をつくっては小瓶を並べているそうです。ただしやはり、瓶は空の状態ではなく、瓶が瓶らしくあるためにだいたい何かしらを分別して詰めてあるのだそう。おもしろい・・・。

私はこれらの瓶を見ながら、編集行為とキュレーションについて気になりだしてしまいました!!

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話はどんどん展開して芸術論議

「これは吉川さんの作品なのか?作品でないのか?」そんな質問から、展示・発表とは何か/表現の自由アウトサイダーアート/教育論/芸術とライフスタイル/世界認知や未知/カタツムリの交尾/公共空間の掃除/ファイルつくり(魔)とファッチーニ/アーティスト像について・・・

「あそびのじかん」展に一緒に出品している野村和弘さんも途中参戦してくださり、話は次第に(美術館らしく?!)芸術論議に。「小瓶からこんなに話が膨らむかっ?!(酒もナシで)」と改めて今、記録動画を見ながら驚いている次第です。

 

 

この「語らう会」は「井戸端会議」に名前を変えて、9月にも開催予定です。

※2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内(公開整理のスペース)で行います。

 

「あそびのじかん」展を回る途中、この怪しい集会に出会ったらラッキーです。

よかったら立ち聞きしていってください。

ご参加も自由ですヨ。

 

 

 

※本日のお写真はすべて長沼宏昌さんが撮影したものです。

 

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アーカイブやコレクションについて語らう会8/23

ゲスト 吉川陽一郎さん

 

日時 2019年8月23日(金)16:00-18:00

 

場所 公開整理のスペース

   東京都現代美術館「あそびのじかん」 うしお作品《不如意の儀》内

    〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)

 

 

吉川陽一郎さんをゲストに、アーカイブやコレクションについて語らう会を催します。

 

吉川さんに収集物を詰めた小ビン十本ほどを持って遊びに来ていただき、机上に一時的に展示します。コレクションを皆で眺め、感想を言い合ったり、吉川さんのお話を聞いたりとまったり楽しむ会です。どんなものが拝見できるか、どんなお話を拝聴できるかとても楽しみです!

 

本集会は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内(公開整理のスペース)で行います。

スペースの中にいつもより多く人がいて、おしゃべりしたり、何か見せ合いをして楽しんでいるのを偶然見かけた、、、という方、もしご興味を持たれましたら、お気軽に立ち聞き・ご参加ください。

 

※大変狭いスペースですので、他の鑑賞者の通行の妨げにならないようご協力をお願い致します。

※人が多く集まりすぎた場合、展覧会場外のパブリックスペースに移動して開催する可能性があります。場所の変更などの場合は現地に掲示してお知らせする予定です。

 

 

 

吉川陽一郎さん 略歴

YOSHIKAWA Youichiro

 

1955 鹿児島県生まれ(宮崎県都城市、神奈川県横浜市育ち)
1980 多摩美術大学美術学部彫刻学科卒
1996-2002 Bゼミスクーリングシステム 講師
2001-2007 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科 非常勤講師
2007-2019 多摩美術大学美術学部彫刻学科 非常勤講師


近年の個展
2018 「SUPER OPEN STUDIO 2018」 アトリエ・ボイス(相模原/神奈川)
2017 「歩く人」路地と人(東京)・KOBE STUDIO Y3(兵庫県/神戸) 
2016 「裏無いの小部屋」路地と人(東京)


近年のグループ展
2019 「”路地ト人/路地二人々” 」路地ト人(東京)

         「ヘテロトピア」東京都美術館(東京)
2018 「八色の森美術展 第2回」池田記念美術館(南魚沼市/新潟)
         「Laboratory of Forest Art 」(中山/横浜)
         「東の太陽 西の月」双ギャラリー(東小金井/東京)
         「平成30年度彫刻学科教職員展」多摩美術大学 彫刻棟ギャラリー(東京)
         「きもちのきわをあるくx きもちのきわをあるくをウツ(写)す」
      アートセンター・オンゴーイング (吉祥寺/東京)
2017 「平成29年度彫刻学科教職員展」多摩美術大学 彫刻棟ギャラリー(東京)
         「うたげと孤心 連画のいざない Ⅱ」Art Studio DANGEON (上板橋/東京)
         「横浜の森美術展10」(中山/横浜)
         「引込線 2017」旧所沢市立第2学校給食センター(所沢/埼玉)

 

 

 

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スライドと本の整理8/16

今日は「Von hier aus」とドイツ語のメモがついたスライドをスキャンしてみました。

展覧会かな?と思って画像を見ると、中身はヨーゼフ・ボイス氏が「Von hier aus」と書いてある看板?を持って歩いているスナップなど、人物写真がほとんど。

それらの大部分は人物+「Von hier aus」の文字の組み合わせで構成された写真で、どんな展覧会だったのか、スライドだけでは簡単に想像できないなという印象。(今日はおそらく昨日のPC更新の影響で館内のTOKYO FREE Wi-Fiに繋げられず。)

 

そのあと作業の合間に本の整理(エフェメラ救出)をしていると、なんと見覚えのある文字が!カタログが出てきましたー。

展覧会図録と挟んであった紙片3枚

Von hier aus のカタログとエフェメラ

 

1984年にデュッセルドルフで開催された展覧会のようです。

Von hier aus – Zwei Monate neue deutsche Kunst in Düsseldorf - Wikipedia

 

スライドが残っている展示=カタログがある

このケースが多いかもしれません。スライドと蔵書の双方向から紐づけができるような整理の仕方を考える必要性があるなと実感しました。


スライド整理の作業は、協力者の長沼宏昌さんがフィルムの確認とスキャナーへのセットの係、私はスキャンした画像に番号をつけたりスライドの照合・確認、そして保存と分業しております。

長沼さん曰くフィルムが汚れていたり劣化が進んでいるものも多く、なるべく良い状態で原本を残すには早い時点でクリーニングが必要であるとのことです。

 

 

本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。

 

「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。

www.mot-art-museum.jp

 

 

スライドの整理8/15

公開整理の作業風景

スキャンしたデータとフィルムを照合してチェック


スライドの整理と書いてしまっていますが、マウントされていないポジフィルムも一定量混ざっています。本日はマウントされていないポジフィルムをスキャンしました。

 

 

今日は約2週間ぶりの公開整理作業だったため、整理の作業要領を思い出すのに少し苦労しました。PCの更新にも時間を取られてしまい、作業はあまり捗りませんでしたが、合間に協力者の長沼宏昌さんとおしゃべり。今後開催する本公開整理に関係するいくつかのイベントの相談をすることができました。

 

本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。

 

「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。

www.mot-art-museum.jp