本の整理8/15
本日は久しぶりの公開整理です。
スライド整理をしながらも、本に挟んであるものをレスキューする作業を進めています。
協力者の長沼宏昌さんから、「蔵書にはエフェメラ(ephemera)といって、小さな展示やイベントの貴重資料などが挟んであることも多い」と教えていただきました。
たしかに、挟んであるものに注目してページをパラパラめくってみると、様々なものが出てきます。
長沼さんに今日教えていただいたのは、原則(整理・保管する側が)なるべく価値判断をしない、という心得。「これは面白そう」とか「貴重そう」とか、「なんだコレ?」なもの、いろいろありますが取り急ぎレスキューして別ファイルに保管します。
本日は何人かのお客様から本についての質問を受けました。フランス出身という(おそらく留学生の)方から、「フランス語の本がかなりあるけど、何故?」という質問を受けました。「この本の持ち主はフランス語の翻訳も数多くされていて、フランスの芸術文化勲章も受章しています。(そのような方の蔵書なので、フランス語の本が多いのです。)」と説明するのに少々苦労しました。
同じ方から、「ここに置いてあるフランスの本を(私たちから)買えるか」の質問も受けました。ひょっとすると、フランス語の貴重書が紛れているのかもしれません。「どの本が、なぜ欲しいのか」こちらからも質問してみればよかったかも。。。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
本の整理
「あそびのじかん」ご来場のたくさんの方が、蔵書本を手に取ってくださっているようです。
公開整理のことはA4の紙1枚で説明を掲示してあるだけなので、パッと見は謎の古本の山といったところでしょう。。。
これから少しずつ情報を増やしたり、作業に伴ってレイアウトも変わっていく予定です。
取り急ぎ優先させている作業としては、段ボール及び本に挟まっているチラシや紙片の類を救出することです。(本よりも意外にそういう資料のほうが貴重だったりするというアドバイスを受けたため)
また先日は、美術館の美術図書室を訪ね、本の整理(目録的なデータベース化)についてアドバイスをいただきました。ひとまずOPACに掲載されているかを確認し、掲載されていない本についてはOPACに準じた項目のリストを作ってはどうかとのことでした。
なるほど、ご本人が執筆した本を例にとると、こんなかんじですな。うーん、なかなかの情報量です!(OPACに掲載されていない本だけ入力すればいいんだから、落ち着け、私。)
並行して、現在は整理が終わった本に貼り付ける蔵書票のことを勉強したり図案を検討するなどしています。
ご本人のトレードマーク?となっている栗鼠のイラスト。蔵書票にはこの図案を入れて、例えば「栗鼠文庫」とか、「栗鼠蔵書」などと名付ける、、、ご本人ともそんな相談をしたりしています。
栗鼠は(食べ物を口に)蓄えるので、なんとなく情報・知識の蓄積イメージにも似ていて、親しみもあって良いのではと思っております。
「リスに穴を教える」というタイの諺があるらしいですが、「他人に役立つ情報を教えてあげる」という意味だそうで。
ところでスライドを整理していて、ご本人が過去に書いたこんな文章に出会いました。
20年ぐらい前に書いて展示したテキストのようですが、今回のプロジェクトのことのようにも読めて面白いので、栗鼠のドローイングと並べて壁に貼ってみました。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
スライドの整理8/1、8/2
8/1(木)と8/2(金)は、協力者の長沼宏昌さんがスライドスキャナーを持ってきてくださり、整理のコツなど様々なご指導をいただきました。
エアブローや手袋、フィルムクリーナーと綿棒、それから整理済みのスライドを保管するための袋など、物理的に必要な物品あれこれ。
それからデータを保管しておくストレージをどうするかという問題もあります。
作業上の注意として教えていただいたのは・・・
- スキャンする前にエアブローする
- 裏表に注意する
- 分類と命名ルール
- 作業途中をデジカメ等で撮影しとく(対象スライドと同じ場所に保管)
- 気が付いたことや注意点など、とにかく何でもメモする・保管する
- スライドやフィルムは密閉しない
などなど。
慣れていないと少し難しい作業に感じましたが、とにかく作業スタートです。
8/2(金)には猛暑の中、本およびスライドの持ち主、小倉正史さんが 現場に登場。
一緒に近所で昼食を食べたあと、作業を再開。
スライドを見ながら覚えていることを口頭でお話してくださり、これもメモメモメモ。
長沼宏昌さんは整理中のスライドの中に、若かりし日の松澤宥氏を発見して嬉しそうでした。
本公開整理は、2019/10/20まで東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」のうしおの展示室内で行っております。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。
公開整理を始めました
アーカイブス(美術館、博物館、図書館など)は時に私たちに、自分が実際に体験することよりももっと豊富な体験を与えてくれることがあります。
人は生きる過程で様々なものに興味関心を持ち、経験や知識として蓄積していきます。多くの人に少なからず物理的に蓄積したもの(積極的に収集したもの)があるのではと思いますが、私たちはそれを長期的にどう扱っていくのが良いのでしょう。
2019年7月20日、東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」展最後の部屋、うしおの展示スペースの片隅に、公開整理をするための小さなお部屋がオープンしました。
この公開整理の試みは、所有者及び東京都現代美術館の寛大なご理解によってスタートすることができました。
このスペースでは、半世紀以上にわたり主に評論の立場で美術に立会い続けてきた、ある人が蓄積した資料を公開整理する試みを行っています。(「ある人」と書きましたが、実はそんなに隠すつもりはなくて、実名を申しますと小倉正史さんという方であります。)
今回ひとまず現代美術館の展示室に運び込まれた本は、その方の何度かの引っ越しの際にも処分されなかった本の中から、「今後は他の人の役に立つよう使ってもらっても良い」と提供されたものです。本は手に取ってご覧いただくことができます。
※できるだけ丁寧にお取り扱い願います。
さてどのように整理するのが良いか、様々な方のご意見を頂戴できればと思います。
私及び協力者が時々ここで作業をします。その際は話しかけたりご参加いただくこともできます。(時おり本物の持ち主が現場に登場することもあるかもしれません!)
ひとまずこの取り組みの最初の目標は、
1.本を目録化してみる
2.蔵書票を作成してみる
2.目録化作業が終わった本から蔵書票を貼り付ける
であります。
今回は本のほかに、海外の展示や日本の現代美術の歩みを感じさせる古いスライドなども運び込まれています。
これらの資料を目録・デジタル化し、いつの日かそれを必要とする誰かのために、二次的な資料として保管することも目指していきたいと思います。
多くの方のご理解とご支援を賜れますと幸いです。
また、8月以降は、同スペースで「アーカイブやコレクションについて語らう会」を時々開催する予定です。ご参加は自由です。
この公開整理の記録及び各種予定は今後、こちらのブログで公開します。
ご興味のある方は、時々当ブログを覗いてみてください。
「公開整理作業を手伝ってみたい」という方のご連絡もお待ちしております。